現在分詞と動名詞の使い方(その2)

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現在分詞と動名詞の使い方(その2)

現在分詞と動名詞の使い方(その2)

2021/02/21

動名詞の本質

動詞と名詞のハイブリッドを使いこなす

前回述べたように、現在分詞の本質が動詞を形容詞的に使うことにあるとすれば、動名詞の本質は動詞を名詞的に使うことにあります。例えば、He is sleeping. と言えば、「彼は眠っている。」と言う意味であり、He is asleep. と言い換えてもほとんど意味は変わりません。とろころが、It is snowing heavily now. と言えば、「現在、雪が激しく降っている。」と言う意味ですが、It is snowy now.  とは言いません。言うとすれば、It is snowy today. 「今日は雪降りだ。」くらいです。現在分詞は明らかに「現在只今」の状態を述べることが分かるのです。つまり、現在分詞は、動詞の表す動きや作業や行為が只今現在進行中である場合に限って使われ、しかも主語の動きや作業や行為について使われます。

これに対して、動名詞は動詞の動きや作業や行為を、そのダイナミックなポテンシャルを保ったまま固体化し、不活発にします。そして、不活発にしたうえで、それを名詞的に使うのです。現在分詞が動詞の流動状態であるとすると、動名詞は動詞が凝固して固体になった状態なのです。名詞はもともとsubstance と言っていた時代もあったのです。substance とは「物質」「実体」くらいの意味です。譬えて言えば、噴火口から流れ出た溶岩が、やがて固まって岩石になったと考えればよいかもしれません。あるいは川を流れていた水が厳寒の中、凝固して氷になった状態と考えてもよいでしょう。そして、個体のほうが何かと加工に適しています。働きかけやすいのです。たとえば、人類の祖先は、岩石を割ったり削ったりして、斧や矢じりに使うことができました。銅や鉄ならなおさら加工の対象になります。そして加工に限らず、人間の何らかの働きかけの対象になることが名詞の大きな特徴です。運動や作業や操作は多くの場合、対象を要求します。そのとき、そのような動詞、すなわち他動詞、の対象になることが名詞の大きな役割のひとつです。例えば、

  He started reading the book five minutes ago.

と言えば、「彼はその本を五分前に読み始めました。」と言う意味です。彼は本を読むという作業を五分前に開始したのです。「始める」ことの対象が「その本を読むこと」です。したがって「始める」(start) が他動詞で、「その本を読むこと」(reading the book) が目的語です。これは、日本語で、動きや動作や作業を、「~すること」と言い換えて名詞化することができるのと似ています。ほかにも、

   I remember having read the book five years ago.

と言えば、「私はその本を五年前に読んだのを覚えています。」と言う意味です。 「覚えている」(remember) が他動詞で、「その本を五年前に読んだのを」(having read the book five years ago) が目的語として使われています。

動名詞はまた主語としても使われます。例えば、

  Texting while walking can be very dangerous.

と言えば、「歩きながらメールするのは非常に危険です。」と言う意味です。ここでは、「歩きながらメールすること」(texting while walking) を主語にした言い方になっています。主語になることもまた、名詞の大きな役割のひとつです。

また、

  What he enjoyed most was collecting rare stamps.

は「彼が最も楽しんだのは珍しい切手を集めることでした。」と言うほどの意味です。ここでは「珍しい切手を集めること」( collecting rare stamps )が、「彼が最も楽しんだこと」(what he enjoyed most) の補語として使われています。

さらにまた、

  She thought it best to show her love to her children by writing them letters every day.

は、「彼女は子供たちに毎日手紙を書くのが、彼らへの自分の愛を示す最良の方法だと思った。」と言う意味ですが、ここでは前置詞 by を使って、by writing them letters every day と言ったところが注目に値します。前置詞の後ろは名詞が来るという法則があります。これによって、このように前置詞の後ろに動名詞も使えるのです。

また、諺で、

  It is no use crying over spilt milk.

は「覆水盆に返らず」に相当しますが、文頭の"it" は いわゆる仮主語です。少し変則的ですが、動名詞の導く句は、ここでは文頭の仮主語に呼応する真主語として、立派に機能していることが分かります。

このように動名詞は大変便利に、幅広く日常的に使われる、動詞の名詞的用法の重要な一環であるということがよく分かります。

ではここで初級、もしくは中級、の応用問題です。次の対話文の中に使われている動名詞はどれですか。また、それは主語、目的語、補語、の中のどの用法でしょうか。

  "What do you enjoy doing most during a summer vacation?" 

        "Well, I enjoy nothing, really. But many people, having had to "stay home" this summer, seemed to have been forced to enjoy doing nothing in particular." 

 

 

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