現在分詞の意味

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現在分詞と動名詞の使い方(その1)

現在分詞と動名詞の使い方(その1)

2021/02/13

現在進行形の本当の意味

英語の現在進行形の意義を考える

動詞は過去・現在・未来を区別する時制の変化や「三単現の"s"」、また進行形や受け身、完了形や仮定法と、様々な関門があって、一通り学ぶだけでも骨が折れる品詞です。そんな中、初心者にとって紛らわしく、理解が困難な動詞の用法の一つに、現在分詞と動名詞の正確な区別と言う問題があります。なぜなら、この二つはどちらも動詞の原形にing がつく形をしているので、外見からは区別が難しいのです。では、実際に、どのように区別して使うのがよいのでしょうか。

一般的に言って、現在分詞は形容詞的であるのに対して、動名詞は文字通り名詞として扱われる、と覚えておくと区別のヒントになると思います。進行形や受け身、完了形などは、動詞をそのまま動詞として様々に使いこなす方法に属します。けれども、動詞を形容詞、また名詞としても使う方法もあるのです。例えば、現在分詞と過去分詞、それにto不定詞の形容詞的用法は動詞の形容詞的用法に属し、動名詞および、to不定詞の名詞的用法は、後者の名詞的用法に属します。

ここでは、形容詞的性質を持った現在分詞と、名詞的特質を持った動名詞の区別の仕方を、例文に照らしてみていくことにしましょう。たとえば、

  We saw a sleeping dog while walking along the side road.

は、「(私たちが)歩道を歩いていると、眠っている一匹の犬がいた。」というほどの意味の文です。この文の sleeping は現在分詞です。これは、本来は sleepの進行形として使われていたはずの形です。同様に、while walking は、while we were walking を圧縮した表現と考えることができます。ですから、敢えて元の形に戻して書き直せば、

   A dog was sleeping on the side road. And we saw it while we were walking along the side 

        road.

と二つの文になります。ここで働いている原理は、情報の圧縮です。a sleeping dog は、「眠っている最中の犬」と言うことを強調しており、結果的にsleep という動詞を形容詞化することで、二つの文を一つにまとめることに成功しているのです。

では、動名詞は現在分詞とどのように区別するのでしょうか。これも例文で見てみましょう。

  You will need a sleeping bag when you climb a high moutain in winter.

は「冬に高い山に登るときは寝袋が要ります。」と言うほどの意味です。 sleeping bag は「眠っている袋」でないことは自明です。この袋は、前置詞の for を使って a bag for sleeping と言い換えることができます。このことから、それが寝袋だったことが判明します。(誰でも知っているように、 for は前置詞であり、その後ろは名詞でなければなりません。 sleeping は名詞として使われていたことがこのことからも確認できます。)

ほかにも、

  Taking a good sleep is of vital importance for all atheletes.

と言えば、「よく眠ることはすべてのアスリートにとって極めて重要です。」という意味です。ここでは、take a good sleep (「よく眠る」)と言う動詞句の要であるtake にing をつけて、動詞句を名詞句化し、それを主語として使っています。ingは「よく眠る」を名詞化し、動詞句全体を静止画像として凍結することで、全体を見事に第二文型でまとめ、印象を深めることに成功しています。

では、次に応用問題を考えてみましょう。

何十メートルか離れたところにいる上司に電話で「すぐ来い」と言われた部下は何と答えたらよいのでしょう。

「今行きます。」と答えたいのですが、例えば、直訳的に、I will go now. とすればよいのでしょうか。それとも、I'll be with you soon.でしょうか。また、I'll be there right now. とするのもありかもしれません。ちょっと迷うところです。しかし、このような時、進行形を使って、 I'm coming. と言う言い方も考えられます。

実は、I'm を省略して、単に Coming. というのが最も普通に使われる表現です。でも、何故でしょうか。

ひとつ基本的なことでいえば、 go は中心から遠ざかるときに使います。come は「何かの源、もしくは中心へ馳せ参じる」という暗黙の意味合いが伴います。ここは go よりもcome がよいことになります。また、I'll be with you soon. に難があるとすれば、「~と一緒になる」問う意味合いが不自然に強調される嫌いがあります。では、なぜ I'm coming. よりも Coming .のほがこのまれるのでしょうか。

それは、I'm coming to you right away. と言う意味が、Coming. だけでもしっかり相手に伝わるからです。似た表現としては、電話で、Can I speak to Mr John Smith? と尋ねたとき、電話口の人が John Smith 本人の場合、This is John smith speaking. とは言わないで、単に Speaking. と答えます。これは、「私がその 本人です.」と言う意味です。

結局、人からの急な要請もしくは命令に、まっすぐ素直に答えようとするとき、現在進行形が一番適していることになります。今この瞬間から、直ちにそちらへ向かいます、と言う気持ちが、率直に相手に伝わるからです。

現在分詞は、もともと動詞の進行形が基礎にある使い方です。それが形容詞的に働く例は上にみたとおりですが、動詞が進行形で使われるとき、もう一つ何かが起こっています。

現在分詞は、実は動きや動作の一瞬が、その動きの典型として記憶に「固定化」される、ということも理解しておくとよいでしょう。でも、ここでいう「固定化」とはどういうことでしょうか。

現在分詞には、動きや動作を、ある瞬間で切り取り、動詞本来のエネルギーとイメージを十全に保持したまま、時間の流れを止め、それを永久に保存しようとする機能があるということです。

前に見た文を少しだけ変えて、

  I saw a sleeping dog.

と言えば、「私は眠っている(最中の)犬を見た」と言う意味です。ここでは犬は、永遠に眠っているかのように、そのイメージが「私」に記憶されます。

でも、

  I saw a dog sleep.

と言えばどうでしょうか。こうなると、文意はだいぶ変わって、「私は犬が眠るのを見た」と言う意味になります。つまり、私は一匹の犬が眠りにつくのを見た、と言う意味に変わるのです。もっと言えば、「私は、一匹の犬が目をつぶり、やがて眠りに落ちていく全過程を見ていた」ということになるのです。

では、今度は、

  I saw a dog crossing the bridge.

と言えば、どのようなことが判明するでしょうか。この文は、「私はその橋を一匹の犬が渡っているところを目撃した。」と言う意味です。「私」は、橋を渡る一匹の犬の動きは確かに見たのですが、犬がその橋を渡り切ったかどうかは定かではありません。そこは未確認なのです。私は単に、橋を渡る犬に一瞥を与えたにすぎません。時間的なプロセスにコミットしない表現なのです。

まとめて言えば、一般に、ある動きや動作の一瞬を切り取って、その姿を生々しく、しかし平板に、一スライドとして記憶に定着させるのが、現在進行形と言う用法の本質なのです。これに対して、I saw a dog cross the bridge.と言えば、「私は一匹の犬がその橋を渡るのを見た。」と言うことで、犬が橋を渡ってしまう動きの全プロセスが視野に収まっています。これはビデオ画像的です。

現在分詞は、分詞構文にも頻繁に使われます。本文との関係で、原因、理由、同時並行的な出来事、対比、など様々な意味を持った従属節として、非常に便利に使われます。文に文を重ねる手法の一つとして重宝されるのですが、主節の動詞にあまり負担をかけることなく、従属節を軽やかに係留させるのに、現在分詞の持つ「非時間化」の機能が便利に使われたと考えれば、話のつじつまが合うように思われます。

動名詞も現在分詞も、必要に応じてどんどん使わなければ意味がありません。しかし、完全に両者を使いこなすまでには、相当の訓練が必要です。あえてそれに挑戦してみたい方は、弊社のオンライン英語講座「EasySpeak English」の初級、並びに中級コースを受講されることをお勧めします。

    

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