名詞の誕生

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名詞の誕生

名詞の誕生

2020/12/11

名詞の誕生

認識が生み出した名詞の世界

自己の鏡像として生み出されたもう一人の自分が、それ自体の自律性を持ち始めると、一個の客体として存在し始める。それは共感力のなせる業である。他の人も事物も、まずは自己の鏡像として認知されて始めて、その存在を許さるのである。そして同じ過程を経て、客体がさらなる別の客体を生み出し、無限に客体が増殖し始めると、そこにある秩序を持った世界が立ち現れてくる。それらの客体は、自己投影である認識という作業を通じて生み出されたという点で共通しており、生み出された客体はすべて認識の子供なのである。

このようにして生み出された人間や事物は、すべて存在するという一点において共通点を持つ。それ以外では、すべて互いに異なる事物、すなわち差異化されたものとして存在しているのである。さて、文法はこれらの人間や事物に「実在者」もしくは「存在物」、英語でいえば beings という名称を与えた。すべての人間や事物は、それらがこの世に存在するかしないかが問題なのである。認識を通じて「存在する」と認定されれば、それはそこに絶対的に存在し、世界の中に確固たる地位を占め、「言葉」の仲間入りを果たす。つまり「言葉」こそが世界の創造者なのである。He is something. という言い方があるが、これは「彼は物である」と言っているのではない。「あいつは一門の人物だよ。」

ところで、認識作業が洗練を経て高度な段階に達すると、雨、風、嵐などの自然現象も客体として捉え、さらには、数や公式、上下左右、善悪、正邪、温暖、美醜、などの対概念、国家、社会、組織、などの団体概念、また労働、殺人、販売、交渉、散歩、睡眠、戦闘、詐欺、などの諸行為までもが一種の「存在」として認知されてくる。英文法では、これらの実質、本性、本質を持つ存在、すなわち「実詞」(substantive)と呼んでいた。今ではそれらは「名詞(名称を持つもの)」(noun)と総称されている。

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