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英語子音の攻略法

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英語子音って、何?

英語子音って、何?

2021/10/11

英語子音のツボ

 日本人が英語を苦手とする理由は多々ありますが、語彙、構文、前置詞、あるいは時制など、文法にかかわる難しさの他に、英語の発音の難しさはまた格別です。そして、発音の難しさの理由を突き詰めていくと、結局、日本語と似て非なる、個々の母音の発音の難しさに加えて、子音一般の発音の難しさに行き当たります。では英語の子音は、なぜそれほどまでに難しいのでしょうか。

 それは、英語は子音と母音の完全な分離の上に、各語の弁別が成立している言語であるのに対して、日本語は、子音と母音が分かちがたく結びついている言語だからです。両者の分離ができていないのです。これが、日本人英語学習者に、英語の発音の学びを難しくしている原因なのです。

 具体的な例を挙げて説明しましょう。例えば、英語は dog にしても、cat にしても、school にしても、またpen にしても、さらにはbook にしても、およそ大半の英語がそうであるように、子音で終わります。すなわち、それらは、発音記号で表示するならば、/g/、/t/、/l/、/n/、/k/、で終わるのです。英和辞典を調べれば明らかなように、これらの単語の発音は、世界標準の発音記号を使って、アルファベットで示されています。アルファベットで表示しきれない発音は、それ以外の記号、例えば、/ʃ/,  /ʒ/,  /ʤ/,  /ð /などを援用して表示されます。

 日本人にとって英語子音が問題となるのは、これらの語を締めくくる子音にあります。 これは、日本人から見れば不思議な現象です。というのも、dog の g にしても、 cat  の t にしても、その次にあるはず、と期待していた母音がそこにないからです。こうなると、理屈上は、dog は/g/ で、 cat は /t/で、発音を打ち切らなければなりません。でも、日本人は、自分の知らない英語に、ついつい片仮名でルビを振って発音を覚えようとします。それが便利だからです。そして事実、片仮名で通用するようになった英語は無数にあります。それらのほとんどは、それらがもともと英語であったことを忘れて、日常的に使っています。キッチン、ナイフ、ハンカチ、ティッシュペーパー、ノート、トイレ、オレンジ、パインナップル、バナナ、ライオン、モンスター、シャツ、ネクタイ、など、いくらでも思いつきます。そこで、ついつい、その手法を他の英語の発音にも使ってしまいます。その結果、「ドッグ」「キャット」「スクール」「ペン」「ブック」と発音してしまいます。

 このように発音しても、日本人同士なら、文句なく通じますが、例えば、MacDonald を同じようなやり方で、「マクドナルド」、と発音してしまうと、アメリカ人には何のことやら分からないのです。アメリカ人の発音と、余りにも違うからです。これは「むなー」というように発音しないと、実際には通じないのです。/l/ も /d/ も有声子音ですが、単語の最後では無声子音化し、しかも、弱く発音されます。したがって、日本人の場合は、語の最後の子音は下手に発音しない方がかえって通じる、という逆説が成り立ちます。

 ところで、英語母語話者たちは、その子音を単体として自由に使いまわすことで、何を実現しているのでしょうか。英語は、多くの場合、母音の前後を子音でくるんで密閉し、中に閉じ込めた母音の部分を、自由に膨らまして、自在に飴のように引き延ばし、その母音に、ここぞというとき、爆発的に感情を移入をしながら話します。そして、これが心地よいのです。そこでもし、子音がしっかり母音の終わりをガードしてくれていないと、母音の中身が、あんこのように、簡単に外に漏れてしまう恐れがあります。これは困ります。英語にとっては、キレのいい子音でしっかり区切られた、キレッキレの母音に命を吹き込んで会話を楽しむのです。ですから、実は、母音を生かすも殺すも、子音の使いこなしにかかっているのです。面白いことに、No. と言いたいときに、ネイティブの英語話者は、ときどき、「のうっぷ」と聞こえるように発音します。何かを断固断りたいときに、そこに存在するはずのない子音 /p/ をわざわざ加えるのです。

子音の働きはこれにとどまりません。子音は、多くの異なる語を形成するときにも、実は、縦横の活躍をします。英語の母音は、その数が日本語の母音より格段に多いとはいえ、その種類にはおのずと限りがあります。しかし、英語の子音は、ちょうど英語の母音に、短母音、二重母音、三重母音があるように、子音にも、単子音、二重子音、三重子音があります。こうして、子音と母音の組み合わせを何倍、いや何十倍にも増やすことで、効率よく単語の数を増やすことができるのです。たとえば、say とstay は、s と st の違いによって、母音は一つでも、「言う」と「留まる」という異なる意味を、発音とスペリングの両面で、きちんと区別して使うことができます。同様にして、seed とspeed、team とsteam、を使い分けることができます。このように多重子音は、いわば合法的に、子音の数を倍増させる装置なのです。そして、語の数を増やすには、英語の場合、同一の母音を前後に挟む子音のペアーの組み合わせ数を増やすのが便利で、しかも効率的です。たとえば、lead、read、sead、leap、heap、seal、cheat、heat、beat、meat、などがそれです。ついでですが、これで、日本語には同音異義語が無数にあるのに対して、英語にはそれが極端に少ないことの説明がつきます。英語は音声だけで、ほとんどの語を多から区別できるのです。

 単子音と二重子音と三重子音の区別も例示することができます。例えば、say と stay とstray では、子音は、 s とst と str の三種sひかも類の使い分けが明確に看て取れます。三重子音が使われる語は、単子音や二重子音が使われる語の数に比べると、ぐっと数が少なくなりますが、それでも、 strike、destroy 、chemistry、apostrophy など、結構多く使われていることが分かります。

 もうお分かりのように、実は、これらの二重子音、三重子音は、単子音と戦列を組んで、英語を話す日本人に、雨あられと襲いかかります。これらの子音を瞬時に聞き分け、また瞬時にしゃべり分けるのでなければ、自由な英語コミュニケーションはおぼつかない、ということです。しかし、残念なことに、いまだに多くの日本人は、日本語の発音の仕組みすら、きちんと客観的にとらえていないために、英語の発音がいかに複雑かつ精妙な、独特の機序を駆使するか、その全体像を十分には理解出来ていません。そのことが、日本人の英語学習にどれだけのハンデを与えているかも、肝心の日本人自身が知りません。この不都合な真実を、基礎の基礎から、手順を踏んで、一つ一つ分かりやすく説明した上で、徹底した訓練を受けなければ、日本人の英語学習は、砂の上に家を建てるような心もとない話になります。

 ところで、日本語の発音の機序って、何でしょうか。まずは、ざっくりと尋ねましょう。「日本語の場合、どのような音(あるいは音素)の組み合わせを使って、すべての単語は弁別されているのでしょうか。」答えはこうです。「日本語は、相当数の、特定の子音+母音の結合体を、いわゆる「五十音」(または「五十音図」)として音素的に析出し、それに単独子音「ん」を加え、さらに、促音、濁音、半濁音を添えたものを、語形成の音声的弁別要素一式として用います。」ところで、興味深いことに、日本語では、「ん」は特別な地位を与えられています。「みかん(蜜柑)」「きけん(危険)」「キリン(麒麟)」「てんけん(点検)」など「ん(/n/)」で終わる語が相当数存在しますが、日本人にとっては、「ん」は、重要で、しかも例外的な子音に属します。日本人は、誰でも知っている「尻取り」と呼ばれるゲームで、「ん」を最後に含む語を言ったら負け、というルールを作って、このことに注意を喚起し、共通の記憶にとどめています。

 でも、このルール化は、実際のところ、何を意味しているのでしょうか。日本語では、「ん」で終わる語を除いて、単独の子音で終わる語は存在しない、ということを反転した形で、示しているのです。これが日本語の言語生成ルールの基本だからです。もう一度繰り返します。日本語では、「ん」を除いて、単独の子音で終わる語は一つも存在しません。日本人は、それ自体十分に大きな、日本語という言語世界に住んでいますが、「単独で存在する子音」なるものに、これまで一度も出会ったことがありません。もう一度だけ繰り返します。日本人は「単独子音」を知りません。

 「ん」を知っているから、単独子音を知らないというのは言い過ぎではないか、と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本語では、「ん」は子音というよりは、一個の母音のように扱います。俳句で「ん」を使うときも、一音扱いします。例えば、子規の「鶏頭の三百本もありぬべき」の「三百本も」を、俳句の、五七五の決まった音数律に従って、中の七音に数えるためには、「ん」を一個の音と認めざるを得ないことを確認してください。ここからも、日本では、「ん」を一個のシラブル(=音節)として扱っていることがわかります。他方、英語の /n/ は、あくまでも子音であり、決してシラブル扱いはされません。たとえば、mind は、/maind/ と発音されます。/ai/ は二重母音ですから、シラブルは一個と勘定します。/n/ も/d/ も子音ですから、当然シラブルの数には入りません。つまり、mind は一音節の語です。「マインド」と日本式に発音してしまうと、途端に、四音節の語として厚音したことになり、英語の母語話者には、ほとんど通じなくなります。英語にとっても、シラブルの数は命だからです。

 日本語が単独子音を持たないことが、英語母語話者にとって、どれだけ意表を突く、珍妙かつ異様な事態であるか、英語を学ぶ当の日本人が、少しも意識したこともなければ、人に指摘されたこともない、ということは、日本人自身にとって、由々しき問題です。日本人は、一日も早く、このことを知らなければならなりません。さもなければ、日本人が、本格的に英語を学ぶチャンスが、今後とも、永久に失われるからです。日本人が英語を学ぶ際には、まず「単独子音」の存在とその精妙な働きを、徹底的に学ぶ必要があります。そのための第一歩は、日本語の単語の生成機序を、客観的に、きちんと整理した形で、学ぶ必要があります。以下は、すでに述べたことを、より正確にまとめたものです。参考にしてください。

 日本語では、 /k/、/s/、/t/、/n/、/h/、/m/、/y/、/r/、/w/、/b/、/p/、/g/、/ts/、/tʃ /と、母音である「あ/a/」「い/i/」「う/u/」「え/e/」「お/o/」との結合体、言い換えれば、これらの子音と母音の五十余りの組み合わせに、撥音、促音、濁音、半濁音の要素を加味したものを基本とし、これに文字、すなわち、五十個の平仮名を充て、これを五十音図と呼びならわし、日本語の学びの基本に据えています。(ただし、ワ行の「ゐ」と「ゑ」は「い」と「え」で代用します。)つまり、単独子音である「ん/n/」を除けば、すべての語は、子音と母音の区別を意識させない、また、平仮名や片仮名での表記も可能な、五十個の異なる音の塊を、文字表記においても、発音においても、日本語という言語の、学習と活動の基本に据えているのが、日本語なのです。したがって、片仮名表記の外国語も、何万という数の、漢時代の中国由来の漢字も、すべてその読み方は、五十音と「ん」、それに促音、濁音、半濁音を加えた五十個の平仮名を念頭において、その発音を学びます。したがって、日本語の初歩的な学習者は、まず、平仮名を覚えることで、日本語の発音の基本をマスターすることができ、それを基礎に、平仮名、片仮名、漢字を組み合わせた、日本語表記一般の世界にも、入っていくことができます。

勿論、すでに多くの方がご存じのように、日本語にも子音はたくさん存在します。それらは英語の発音にしっかり生かすことは可能です。しかし、それらの子音を、独立子音として、発音することがままならない間は、英語の語彙の大半を占める、多くの語の締めくくりの単独子音を、美しく、明確に、正しく、発音することはできません。また、子音学習の初心者が、strength のように、/e/ という一個の母音を中に挟んで、五個の異なる子音が、その前後を犇めくように固める語を、正しく一音節語として発音することは、まず不可能です。日本人にとって、英語の子音の多くは、全く知らない子音ではないにもかかわらず、実際には「単独子音群」として、別個に時間を割き、到達すべき目標を立て、しかるべきインストラクターのもとで、継続的に学ばない限り、決して身につくことはありません。また、すでに、多くの方がご存じのように、英語には、日本語に無い多くの子音が存在します。例えば、/l/も /r/も/f/も/v/もそうです。他にも、nothing の th の音や、they の th の音や、leisure の s の音、また question の qu の音などもあります。これらについても、「単独子音群」と併せて、子音学習の初心者は、厳しい訓練を受ける必要があります。

さて、弊社の「初級英語」では、まず、上記のような日本語の音声的特徴を説明し、次いで、それとは対照的な英語の音の組み立ての特徴を説明します。こうして、すべての「単独子音」の練習に加えて、日本語に無い子音群も、一層丁寧に教えます。そして、個々の子音の具体的な発音の仕方を十分学んだあとで、それらの子音を含む様々な単語の、全体的な発音の仕方も、学んでいただきます。つまり、弊社の「初級英語」では、通じる英語の基礎となる、「英語発音の基礎」を、きちんと、一から学ぶことができます。英語の音を、きちんと身につけたい、訓練を通して、しっかり学びたい、とお考えの方は、弊社の「初級英語」が、おすすめです。お問い合わせとご応募を、心より、お待ちしております。

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